ボクシング「先生対決」 小学教師の勝ち

 「ボクシング4回戦」(26日、なら100年会館)

 古都の「先生対決」は小学校教師に軍配が上がった。奈良・山の辺小の現役教師・谷口陽祐(奈良)が、京大出身で京都・宇治徳洲会病院心臓血管内科勤務の現役医師・自閑(じかん)昌彦(BMB)を判定3-0で下した。

 ともに30歳、プロ戦績2勝3敗同士の対戦。谷口は「同い年でどっちも激務の中、やっているというのは意識した。強い気持ちを持ってる選手だろうし、気持ちで負けないと思った」と胸を張った。

 序盤から右を打ち込み、手数で圧倒。最終4回、ほぼ一方的に殴り続けた。「力んだ。色気が出た」と、あと一歩でKOを逃したが、うれしいプロ3勝目を完勝で飾った。

 6年生の担任を受け持った教師2年目の24歳の時「生徒に『頑張れ』と言っているのに、自分は何を頑張ってるのか」と思い、未経験のボクシングの道へ。朝のロードワーク、放課後はジムで練習というハードな日々を送ってきた。

 公務員のためファイトマネーは一切もらっていない。この日も会場に駆けつけた卒業生、校長、教頭らの声援を力に変え、頑張ってきた。「けがをしたとしても、絶対に学校に行く。まだまだ強くなっているし、次はB級ボクサーが目標」と意気込んだ。

 一方、敗れた自閑は「毎回負けるパターンが一緒。腰を低くして打ちたいけど、体を浮かされて…」と肩を落とした。週1回、病院で当直があり試合前も変わらず業務をこなしてきた。「谷口先生もそうだし、みんな仕事をかかえながら。それは関係ない」と言い訳にしなかった。

 京大4年時にプロテストに合格。09年にデビューしTKO負け。その後は医師国家試験の勉強のため競技を離れた。しかし医師になった後も夢を追い、13年に再デビューした。

 「いい経験をさせてもらっている。納得できるまでやりたいし、もっと成長できていれば納得するんだろうけど、全然納得できていない」と、今後も二足のわらじを継続する考えだ。

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