服部海斗さん 10カウントに送られ天国へ

 慢性骨髄性白血病のため24日に死去した17歳のプロボクサー・服部海斗さんの葬儀・告別式が26日、大阪市阿倍野区の斎場で営まれた。10カウントが鳴らされ、出棺の際には参列した約400人が「海斗、海斗」と涙で大コールする中、天国へと旅立った。

 所属した大成ジムの丸元大成会長が弔辞。「白血病という病気が発覚して1年、海斗は1度も弱音を吐くことなく病気と戦ってきた。思い起こせば初めて海斗と出会ったのが10年前のグリーンツダ。やんちゃで生意気で気が強い、なおかつ才能あふれるボクシングをする少年という印象。16歳の少年はかばん一つに大きな夢を詰めて兵庫県にやってきた。海斗は自分がきつい練習をしながらも周囲に気を使い、優しく声をかける男だった。海斗は言ってたよな。『アジア、日本のタイトルには興味がない。世界しか見てません』。とことん強気な男やった。天国に行く日、胸騒ぎがした。どうしても渡したいプレゼントがあった。海斗がのどから手が出る程欲しがっていたチャンピオンベルト。天国へ行く30分前に手渡しすることができた。10分前には弟の壱斗が病院に駆け付けた。壱斗を待ってたかのように海斗は天国に旅立ったな。お前はどこまで律儀で思いやりがあってどこまで優しい男なんや。またいつか一緒にボクシングをやろう。今度こそ世界王者になろうな。サヨナラは言わない。これから仲間の心の中にずっと生き続けて下さい」。

 父・兼司(けんじ)氏はあいさつで「自分はまだ海斗が逝くとは全く思っていない。先輩、みんなに教わって海斗は男になれたと思う。これからもチーム海斗で頑張る」と悲痛な思いを語った。

 同僚で親友のWBAアジアミニマム級王者・加納陸(17)は最後の別れとなる棺の前で「見守ってなあ」と告げた。「絶対にどっかで見ていてくれる。下ばかり見てやっても仕方がない。今は受け止められないけど、いつか受け止めないといけない。それまで強く生きるだけ」と自らに言い聞かせた。

 服部さんと加納は16歳時に同時にフィリピンでプロデビュー。「海と陸」のドキュメントは年末にテレビ大阪でも放映。死去後、同局のHPにはアクセスが殺到し、パンク状態になった。同局は26日深夜に追悼特別企画として再放送する。

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