「神戸新聞杯・Ｇ２」（２８日、阪神）

　これがダービー馬の底力だ。単勝１・６倍の１番人気に推されたワンアンドオンリーが、秋の始動戦をきっちりと勝ち切った。結果は頭差。しかし、見た目の辛勝以上に地力の高さを感じさせる勝ちっぷりだった。

　前半は後方集団で待機。勝負どころで一気に外から前の集団に取りつくと、直線半ばでは楽々と抜け出すか思われた。だが、外から一気に８番人気のサウンズオブアースが急襲。勢いでは完全に不利かと思わせたものの、そこからがダービー馬の真骨頂だ。さらに外からはトーホウジャッカルも迫ったが、最後は力でねじ伏せるように先頭でゴールを駆け抜けた。

　「並んでから抜かせなかった。たいしたもんだよ。（かなり長くいい脚を）使ってますねえ」と感心した様子で振り返ったのは横山典弘騎手。「もともと一度使ったら良くなる馬。さらにアップしてくれるのでは。このまま無事なら」と菊花賞（１０月２６日・京都）へ視線を向けた。

　２着には８番人気のサウンズオブアース、さらに頭差には９番人気のトーホウジャッカル。２番人気のサトノアラジンは４着に終わった。