プリプリ 仙台で3年ぶりに再集結

熱唱するプリンセスプリンセスの岸谷香=仙台市
ライブで盛り上がるプリンセスプリンセス=仙台市
仙台PITを前に集結したプリンセスプリンセスの(左から)今野登茂子、富田京子、岸谷香、中山加奈子、渡辺敦子
3枚

 1980~90年代に活躍した女性ロックバンド、プリンセスプリンセスが11日、宮城県仙台市にオープンしたライブハウス「仙台PIT」のこけら落とし公演を開催し、「M」など18曲を歌い挙げた。2012年に震災復興支援を目的に1年限定で再結成。東京ドーム公演などで集めた義援金から3億1000万円を新たなロックの聖地を建設のために寄付。そのオープニングに3年ぶりに再集結した。

 ライブは5人での黙とうでスタート。「世界で一番熱い夏」などヒット曲連発で盛り上げ、アンコールでは岸谷香(49)が「奥居香をやってやろうと思って髪を伸ばしてきた」と往年のソバージュヘアで登場。「音楽は人の小さな気持ちを奇跡につなげると教えてくれた。みんなで合唱して空高く届けよう」と呼びかけ、代表曲「Diamonds」をファン1200人で合唱。会場を一つにした。

 始まりは、震災が起きた直後に5人で無事を確認しあったメールだった。岸谷の「5人が集まったら、1人じゃ絶対できない支援ができる」と呼びかけて再結成が決定した。「必然で、やるべき時だった」と岸谷は振り返る。翌12年は3月の復活ライブから12月に東京ドームライブ2公演、大みそかのNHK「紅白歌合戦」出演まで5人で駆け抜けた。

 集まった義援金は約5億円にのぼった。「1回きりでなく、音楽にまつわる長く続く支援をしたい」とライブハウスの建設を発案し、3億1000万円を仙台PIT建設に寄付。自らがそのオープニングを飾るため、再び3年ぶりに集結した。

 仙台市は01年から“楽都”をスローガンに音楽での街作りに取り組み、バンド育成にも積極的だった。しかし震災で中心地のライブハウスは全壊。活動休止を余儀なくされたバンドも多かった。それだけに新たな殿堂誕生に奥山恵美子仙台市長も「明日に向かっての希望を引き出すような音楽で、人の輪を結び繋ぎ合うような場ができた」と期待は大きい。

 公演は12、13日も開催。今月26日の東京・豊洲PITでのライブを最後にプリプリの歴史の幕を再び閉じる。岸谷は「プリプリの支援は終わるけど、PITの新しい支援がこれから始まる」と同所が被災地の活気を取り戻す発信地となることを願った。

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