就活生を応援、無料スペースとは

 就職活動をする人のために無料で作業スペースを提供するサービスがある。貸し会議室予約サイトを運営する株式会社スペイシーが手がける「スパシーバ!」と呼ばれるもので、ウェブサイト上で使いたい場所や日時を検索し、予約して利用できるようになる。採用日程のルールが変わり、厳しい就職戦線にさらされる学生をサポートするこのサービス。提供に踏み切った理由や思いを同社の内田圭祐代表取締役(34)に聞いた。

 「スパシーバ!」が始まったのは今年の7月9日。レンタル会議室や共同作業場(コワーキングスペース)から物件を提供してもらい、ユーザー側は無料で「スパシーバ!」に登録した後に使いたい物件を検索して予約する。基本的に飲み物・食料品の提供はなく、「無料で場所を使える」というだけのサービスだが、エントリーシートを書いたり、企業研究をしたりするためだけにネットカフェや喫茶店に入りコーヒーを頼むよりは格段に割安だ。

 内田氏はスペースを貸す物件主と借りる就活生の両方にメリットがあると話す。「貸す方はこれから社会に出る人に対しての宣伝効果があります。これからのお客さんが見込めるという訳です。借りる側は頻繁にカフェに行きお金を払うとなると重なるとバカになりませんから」。これから社会人になろうという人への宣伝費を含んでいるために利用料は無料で、「スペイシー」も手数料などはとっていない。当然、経費分だけ赤字だ。だが、内田氏はCSR(企業の社会的責任)と捉えて運営している。

 今年9月の時点で東京圏では35前後の物件が利用できる。大阪圏には4件、名古屋圏に1件とまだまだ物件を拡充していくことが課題だ。登録者数も150人ほどとまだまだこれからのサービスではある。物件数について内田氏は「500程度まで増やしたい」としており、来年度は利用者4万人の登録を目標にしているという。

 今年の就職活動は経団連が8月1日に選考を解禁するという方針をとったが、実際にはそれ以前から選考が進められていたというケースも報じられている。今年の就活生には何かと戸惑うことが多い。内田氏は「さまざまな企業のオフィスに訪問できて視野が広がるうえに、オフィス環境に場慣れすることで面接にも有利になる。時には社員の人と話したりする機会がそのまま就活になってたりすることも期待できる」と後押しになることを期待した。

 また、「スパシーバ!」の利用によりお金が浮いた分で、「1日バイトをしなくて良くなるのなら、その日を学業や面接、書類書きにあてられると思う。うまく利用していただければいいですね」と活用を願った。

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