すい臓がんのため２１日に亡くなった歌舞伎俳優の坂東三津五郎さんの長男で歌舞伎俳優の坂東巳之助（２５）が２３日、出演している歌舞伎座での公演の昼の部を終えてから、会見に臨んだ。

　穏やかな表情で報道陣の前に現れた巳之助は「報告が遅れて申し訳ありません」とまず謝罪。次いで、三津五郎さんの最後は叔母２人と、自分と姉２人の５人で看取ったことを明らかにした。

　また、亡くなる前に前々妻で巳之助の母の寿ひずるから「会いたい」と連絡があり、次女が結婚報告する際に、三津五郎さんとともに病室で再会したことを明かした。

　三津五郎さんはその時、「本当におめでとう」と次女を祝福し、何十年ぶりかで家族で写真に収まったという。

　また巳之助は三津五郎さんの思い出として、高校生時代に反抗していったんは歌舞伎をやめようとし、やっぱりやると報告した際に三津五郎さんが『本当にそれでいいんだな』と無理強いはしなかった「父の優しさ」を挙げた。

　巳之助は２２日夜、東京・青山の三津五郎さんの自宅で集まった約２０人の報道陣に対応し、「本日はお集まりいただき、ありがとうございます。詳しいことは明日、あらためてお話しさせていただきます。雨も降ってきましたし、ありがとうございます」とだけ語っていた。