「離したくはない」「マリア」などの大ヒットで知られ、一昨年に再結成したロックバンド・Ｔ‐ＢＯＬＡＮが８日、大阪・オリックス劇場で１９年ぶりとなる単独ライブを開催した。完全復活を告げる“再出発”ライブかと思われたが、アンコールで活動休止を電撃発表。場内が騒然となった。

　Ｔ‐ＢＯＬＡＮは９９年に一度解散している。今後は、デビュー前のインディーズ時代にあこがれ続けたという東京・渋谷公会堂で、今月２１日と４月２６日にライブを行い、ピリオドを打つ。

　アンコールでボーカルの森友嵐士が「１９年間いろいろ奇跡がありましたが、Ｔ‐ＢＯＬＡＮとしての活動にマル（ピリオド）をつけます」と発表。「さらなる俺たちの挑戦として」と続けた。

　今後はメンバー４人が再び別々の道を歩むことが発表され、ボーカルの森友嵐士はソロ活動、ギターの五味孝氏はソロユニット活動、ドラムの青木和義とベースの上野博文は新ユニットを結成することが明かされた。

　Ｔ‐ＢＯＬＡＮは絶頂期の９５年３月に、ボーカルの森友が心因性発声障害を患う中、強行開催した大阪・厚生年金会館（現在のオリックス劇場）でのライブを最後に活動休止を余儀なくされ、９９年に解散。森友は１１年に病を克服して、１２年にグループを再結成した。

　１９年前に歩みを止めた因縁の会場での“リベンジライブ”と位置づけ、開催されたこの日のライブ。Ｔ‐ＢＯＬＡＮとしての長年の課題をやり遂げたため、次のステージに移ることを決めたという。

　【Ｔ‐ＢＯＬＡＮ】

　９１年に「悲しみが痛いよ」でメジャーデビュー。「離したくはない」「Ｂｙｅ　Ｆｏｒ　Ｎｏｗ」「マリア」などのヒットを連発するが、森友ののどの不調から、９５年３月の大阪公演を最後に活動休止し、９９年に解散。１２年９月に再結成し、他バンドとの合同ライブや、東日本段震災の復興チャリティーイベントなどに参加していた。

　なお全オリジナルアルバムとアルバム未収録曲を収めた完全保存版ＢＯＸ「Ｔ‐ＢＯＬＡＮ　ＴＨＥ　ＣＯＭＰＬＥＴＥ」（ＣＤ７枚＋特典ＤＶＤ／７月１０日発売予定）が発売される。