佐野氏「断じてしていない」疑惑否定

ヤン・チヒョルトの業績を紹介する展覧会の図録の表紙(左)と2020年東京五輪公式エンブレムのデザイン原案
2枚

 制作した五輪エンブレムが白紙撤回となった、アートディレクターの佐野研二郎氏(43)は1日、自身のデザイン会社のホームページを更新し、今回の事態について弁明し、改めて“盗作疑惑”を否定した。

 冒頭からエンブレム制作への思いを改めてつづりながら「模倣や盗作は断じてしていないことを誓って申し上げます」と改めて“疑惑”を否定した。

 ただ、サントリーのキャンペーンでのトートバッグの件を指してか「エンブレムのデザイン以外の私の仕事において不手際があり、謝罪いたしました。この件については一切の責任は私にあります」と釈明。

 その後の騒動の広がりについて「残念ながら一部の悪しきイメージが増幅され、私の他の作品についても、あたかも全てが何かの模倣だと報じられ、話題となりさらには作ったこともないデザインにまで、佐野研二郎の盗作作品となって世に紹介されてしまう程の騒動に発展してしまいました」と、“恨み節”をつづった。

 白紙撤回に同意したことについては「自宅や実家、事務所にメディアの取材が昼夜、休日問わず来ています。 私個人の会社のメールアドレスがネット上で話題にされ、様々なオンラインアカウントに無断で登録され、毎日、誹謗中傷のメールが送られ、記憶にないショッピングサイトやSNSから入会確認のメールが届きます。自分のみならず、家族や無関係の親族の写真もネット上にさらされるなどのプライバシー侵害もあり、異常な状況が今も続いています」と、現状を説明した上で、「今の状況はコンペに参加した当時の思いとは、全く別の方向に向かってしまいました。もうこれ以上は、人間として耐えられない限界状況だと思うに至りました」と、心が折れたことを明かした。

 今後についても触れ「私の作品や仕事を通じて、少しでも皆様の信頼を取り戻すべく、日々の仕事に専念するしかないと思っております」と、デザイナーとして信頼回復に取り組む覚悟を示した。

 佐野氏がデザインしたエンブレムは、7月24日の発表から“盗用疑惑”が浮上。ベルギーのリエージュ劇場のロゴとの類似が指摘され、同劇場などから国際オリンピック委員会(IOC)が提訴されていた。8月28日に組織委が潔白証明のために公表した原案にも酷似したものが見つかり、この日、森喜朗会長、遠藤利明五輪担当相、舛添要一都知事らが臨時の調整会議を行い、白紙撤回を決めた。

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