駒場女子部員・赤岡、助監督ベンチ入り
「高校野球・東東京大会1回戦、正則学園11-1駒場」(3日、神宮球場)
駒場が五回コールドで敗れ、初戦で涙をのんだ。
規定により公式戦に出場できない女子部員の赤岡毬萌内野手(3年)が、助監督として初めてベンチ入り。懸命に指示を出すなど、ナインをサポートしたが及ばず「勝つつもりで来ていた。つらいですね。泣いてはいないです。みんなの前では泣きたくないので」と、悔しさを苦笑いで隠した。
小4で野球を始め、中学時代はクラブチームで全国8強。進学した駒場でも野球を続けるため「男子と一緒にやる選択肢しかなかった」と、野球部の門をたたいた。
体力差から、練習についていくこともひと苦労。それでも、懸命に声を張り上げ、できることをやり続けた。山田駿監督は「3年間、一生懸命にやってくれた。周りが見える子で、3年生をまとめ上げてくれた」と、目を細めた。
「貴重な体験ができた。打った選手と一緒に近くで喜びを分かち合えたよかった。ベンチに入れて下さった先生方に感謝したい。最高の仲間と出会えた」と充実感をにじませた赤岡。今後について「もう絶対、プレーはしません」と笑顔で“現役引退”を宣言しつつ「野球は好きなので携わっていきたい。通訳とか、JWBL(日本女子プロ野球リーグ)の運営とか、女子野球を一般の人にもっと知ってもらう架け橋になりたい」と、目を輝かせて将来の夢を語った。