近大・畠がリーグタイ3戦連続完封勝利
「関西学生野球、近大1-0関大」(12日、皇子山球場)
近大の畠世周投手(3年・近大福山)が関大打線を2安打に抑え完封勝利を飾った。開幕カードの同大戦から3試合連続完封勝利を挙げ、阪神・藤原(立命大)、ヤクルト・徳山(立命大)らに並ぶリーグタイ記録を達成した。
1点のリードを守りきると、右腕の表情から笑みがこぼれた。1-0の最終回、先頭打者が失策で出塁した。嫌な流れの中で何とか2死までこぎつけたが、一、二塁から代打・山下信に左前打を浴びた。同点かと思われたが、左翼の好返球でホームタッチアウト。
3試合連続の完封勝利に「うれしいですけど、今はチームのことを考えて投げているので」と謙虚な姿勢を崩さなかった。それでも6回まで無安打投球。相手を寄せ付けない落ち着きぶりは、今までの殻を破った感がある。
高校時代から無名で今春は2勝1敗、防御率3・90。期待されながらも好不調の波が激しかった。田中監督は「精神的な成長が一番。マウンドで落ち着いて投げられるようになった」と言う。最終回には右足がつるアクシデントがありながら、心配するベンチをマウンドから手で制した。ゲームセットの瞬間まで守り抜き「春は個人的にも悔しい結果で、チームに迷惑をかけたので」とエースのプライドも芽生え始めている。
今秋はプロのスカウトが計測したスピードガンで直球の最速が150キロを計測。常時140キロ台中盤から後半を計測しており、来年のドラフト候補として注目を集める存在になりそうだ。