ダル“運命の日”前日に大爆発…記者に凄み「殺すぞ!」

 【2004年11月17日付デイリースポーツ紙面より】

   新人選手選択(ドラフト)会議は17日午後2時から、来季新規参入する楽天も参加して、東京都内のホテルで行われる。大学・社会人対象の自由獲得枠で既に8球団・13選手の入団が内定。自由枠を使わない広島など4球団は1巡目から参加でき、東北・ダルビッシュ有投手(18)は日本ハムが、宇治山田商・江川智晃投手(18)は西武が直前で回避したためダイエーが、それぞれ単独指名となりそう。運命の日を前にダルビッシュは早くも大物の雰囲気を漂わせた。

   早くもプロの“オーラ”が漂っていた。ドラフトを控え、東北高校のグラウンドで自主トレを行ったダルビッシュ。うつむき加減で登場すると、集まった報道陣に対し、いきなり写真撮影を拒否。

   「すみません。頭がこんなんですから」

   茶色に染めた髪の毛はボサボサで、寝起きのまま登校してしまった将来の球界のスターは、まずは指名濃厚な日本ハムの新庄ばりに、写真写りを意識した?  だが、ドラフトの目玉が練習を始めると、いやが応でもフラッシュがたかれた。すると「やめてくださいよ!殺すぞ。ムカつくんじゃ!」。

   ドラフト前の緊張感から、ついつい取材攻勢にいらだち、今度は巨人・清原ばりに威嚇。そのままグラウンドを後にし、写真を撮らせまいと室内練習場に入ると、中からカギをガチャリ。まるで大物プロ選手のような練習風景となった。

   そのままプロで通用する?立ち居振る舞いだったが“激怒の真相”は、やはり18歳の高校球児らしかった。ドラフト当日は同校の理事長室を使って会見するため、恩師の若生顧問から前日に「散髪に行ってこい」と身だしなみを整え、品行方正に努めるよう指示されていた。このため、茶髪で寝グセ頭の写真が報道されては恩師に迷惑がかかると、本人なりに必死に取材を避けたのだった。

   ただ、持ち前の度胸は一級品。若生顧問は「高井(ヤクルト)なんてドラフト前はずっとソワソワしてたが、ダルビッシュは落ち着いてるな」。練習後は、いつものように寮に若生顧問を訪ね、あいさつして帰宅したダルビッシュ。ついつい感情的になったが、恩師に教わった礼儀は欠かさなかった。

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