松山聖陵・嘉陽、打倒安楽に燃える

 センバツ準優勝の済美のエース・安楽智大投手(2年)のほかにも、愛媛には将来が楽しみな速球派がいる。松山聖陵のエース・嘉陽(かよう)宗一郎投手(3年)だ。沖縄県出身で、186センチの長身から投げ込むストレートはMAX142キロ。1つ年下の“怪物”に対し「倒さないといけない相手」と対抗心を燃やす右腕が、チーム初の甲子園出場を目指して最後の夏を迎える。

 静かな口調にも強い思いがにじみ出ていた。「安楽君は倒さないといけない相手。今度こそ勝ちたい」。松山聖陵のエース・嘉陽は、最後の夏の目標を明確に語った。

 186センチのスラリとした長身。長い腕をしならせて、伸びのある速球を投げ込む。99年春に沖縄勢として初めて甲子園を制した沖縄尚学の1番打者だった荷川取(にかどり)秀明監督を頼り、沖縄から松山聖陵に入学。1年時から体重が14キロ増え、130キロ前後だった球速もMAX142キロに伸びた。

 昨秋の愛媛大会準決勝で、済美と3時間45分の激闘を演じた。相手のエース・安楽は218球、嘉陽は229球。20安打を浴びながらも粘り強く投げ続けたが、延長十四回に力尽き、サヨナラで敗れた。

 「最後は体力不足だったと思う」。そのあと済美は四国大会でセンバツ切符を獲得。甲子園でも決勝まで勝ち進んだ“ライバル”の快進撃を「うらやましかった。自分もあそこで投げたかった」と振り返る。

 決勝戦で今治西に敗れた春の県大会後は、下半身強化と変化球の精度アップを課題に練習に取り組んだ。特にフォークに磨きをかけ、「段階を踏んで成長してきた」と荷川取監督。夏の大会に向けた調整は、充実した状態で最終段階に入った。

 夢の甲子園出場へ最後のチャンス。“ナンバー2”のままでは終われない。「バックを信じて自分の投球をすれば負けない。甲子園に行きたい」。何度も味わってきた悔しさを力に変えて、主役の座を奪い取る。

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