ブノワ騎手が警戒「一番はジャスタ」

 「凱旋門賞・仏G1」(5日、ロンシャン)

 誰よりも今年の凱旋門賞メンバーを知る男が、日本勢を警戒する。29日、パリ郊外のメゾンラフィット競馬場で、来日経験を持つ外国人騎手が取材に応じた。前哨戦のニエル賞を制した地元期待の3歳馬エクトで参戦し、仏オークス馬アヴニールセルタンの主戦も務めたグレゴリー・ブノワ騎手(31)=フランス=は、凱旋門賞初Vに自信をのぞかせる一方で、日本馬にも“勝算アリ”との見解を示した。

 今年の凱旋門賞を語る上でのキーマンと言っていいだろう。前哨戦のニエル賞を制し、ここに来て評価急上昇中の仏3歳馬エクトで参戦するのがブノワだ。

 本番で“二者択一”を迫られた仏オークス馬アヴニールセルタンの主戦も務め、日本でも13、14年に短期免許で騎乗した経験の持ち主(JRA通算181戦11勝)。地元の有力馬2頭にまたがってきた経験があり、さらには日本馬の特性も知る貴重な存在となる。

 「いろんな路線から来た馬がここで初めて対決する。今年は混戦だね。何が勝つか分からない。僕の馬はフランスの最強3歳牡馬。もちろん、無事に行けば結果はついてくる」と愛馬への信頼を寄せたのち、日本勢へ強い警戒を示した。

 「3頭ともレースを見ているよ。一番はジャスタウェイ」と真っ先に挙げたのは世界レーティングのNo.1ホースだ。「ドバイのレースはすごかった。それに前走の安田記念では道悪をこなしている。こちらの馬場にも対応できそうだね。凱旋門賞を勝てる馬」と賛辞の言葉を並べた。

 札幌記念から経由する2頭では「ハープスターかな。実際にあのゴールドシップに勝っているんだから」と3歳牝馬を上位に見る。「瞬発力が優れている。パワーもありそうだね。あとは初めてのロンシャンをこなせれば、V候補だろう」と予測。父ディープインパクト譲りの末脚は、やはり脅威に映るようだ。

 「僕も日本馬もまだ凱旋門賞を勝っていない。いつか両方勝てるといいね」とライバルにエールを送ったブノワ。その余裕と不敵な笑みは何とも不気味に映る。

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