【競輪】小さい体で大きく稼ぐ原田

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 競輪界のトップには体格に恵まれた選手が多い。例を挙げるとG1で優勝4回の平原康多(31)=埼玉・87期・S1=は身長184センチ、体重91キロ、同じくG1で優勝4回の武田豊樹(39)=茨城・88期・SS=は177センチ、90キロ、アテネ五輪の銀メダリスト(チームスプリント)長塚智広(35)=茨城・81期・SS=は181センチ、92キロ、G1で優勝16回で競輪界の“王者”と呼ばれる神山雄一郎(45)=栃木・61期・S1=は180センチ、87キロなど。それでは小柄な選手に希望はない…いや、そんなことはない。原田研太朗(23)=徳島・98期・S1=は身長164センチ、体重69キロと決して大きくはない。それでも風圧をまともに受ける先行策で活躍。昨年は最優秀新人賞に輝き、今年はすでに優勝4回と、屈強な男たちに混じって活躍している。そんな原田を紹介しよう。

 原田が何よりも面白い点は、意外にも体のサイズを不利と考えていないこと。「体が小さいと空気抵抗を感じないし、柔軟に立ち回れる」と前向き。「それに、大きくなくても強い人はいますから」という言葉に熱がこもる。

 10年7月にデビューし、今年6月の高松宮記念杯でG1初出場。その後も寛仁親王牌、オールスター、競輪祭とG1に4回も出場した。G1出場前の4月、G2・共同通信社杯に出場した際は「プレッシャーを感じないとダメだけど、自分より上位の人ばかり。だから気楽に戦える」と度胸の良さも見せていた。G1などで強豪と一緒に走ると、助言やヒントをもらえることもある。若武者にとって、13年の戦いは成長の糧となっただろう。

 昨年の獲得賞金は約1600万円だったが、今年はすでに2400万円超。小さな体の23歳がこれだけ稼げるのだ。「努力が自分に返ってくる。夢を与えられる職業」と競輪選手であることにも誇りを持っている。小さな体でも志は大きく。果敢な先行で、来年はさらにビッグな活躍を見せてほしい。(競輪担当・岡 浩司)

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