【ボート】川野が新女王、最内差してV
「クイーンズクライマックス・プレミアムG1」(31日・福岡)
人気の1号艇三浦永理がFに散る大波乱-。そのなかで地元の川野芽唯(29)=福岡・100期・A1=が、1周2Mで寺田千恵らを振り切りG1初優出初優勝で、4人目となる栄光のティアラを手にした。激しい2着争いは、3周2Mで決着を付けた平高奈菜が2着。寺田千恵が3着に入った。なお優勝戦Fでの返還額は10億4392万1200円で、売り上げの81・2%が返還となった。
新ヒロインの誕生だ-。波乱となった一戦で最高の輝きを放った川野が、第4代女王の座に上りつめた。
レースは、1号艇の三浦がまさかのスリットオーバーという大波乱になった。バックでは寺田が先頭に立つも、「2Mをしっかり回れば勝てる」と最内をスルスルと伸びてきた川野が、先取りした2Mで鮮やかな航跡を描き一気にトップへ。そのまま栄光のVゴールを駆け抜けた。
「チャンスをモノにしてきて下さい」-。大会前、師匠である岩崎正哉から贈られた言葉。「重い言葉ですね。トライアルの3走目の2号艇、そして優勝戦の4号艇と“チャンスがある”と思い、この言葉を思って戦いました」と勝利をかみしめた。
地元選手の優勝とあって、レース後はファンも大盛り上がり。「『芽唯ちゃん』って名前を呼んでもらえてビックリした」と喜びを隠せない川野。決戦前日には「今節は名前を覚えてもらうためにきた」と話していたが、このレース、そして川野の名前は、多くのファンの脳裏にしっかりと刻まれたはずだ。
この勝利でSGクラシック(3月16~21日・平和島)の出場権を獲得。「クラシックに出るにはまだふさわしくないレベル。男子とも対等に戦えるように技量を磨いて、来年(16年)もこの舞台に来たい」。初々しい女王はさらなる進化を誓った。