【天皇賞】瞬発力勝負の展開も味方にマイラー・モーリスが中距離界を制圧
「天皇賞(秋)・G1」(30日、東京)
前後半の5Fが60秒8-58秒5で、同3Fが36秒9-34秒2。ラスト3Fは11秒5-11秒0-11秒7と全て11秒台を刻む、典型的な「スローペースからの瞬発力勝負」になった。
2000メートルでV実績がないモーリスにとっては絶好の展開。テンからハイペース→最後は消耗戦となれば、距離の壁が見え隠れするところだが、前半からゆったりとした流れとなったことで、慣れ親しんだ「マイルのレース」をするだけでよかった。
それを差し引いても圧巻の強さだ。道中は馬群の外を回り、4角から直線にかけては他馬に邪魔をされないように悠々と馬場の真ん中へ。上がり3F33秒8の末脚を繰り出し、1馬身半差をつけた。ムーアは馬の力を信じて安全運転に徹した騎乗。それでもきっちり答えを出したのだから、強さが際立った。
2番人気のエイシンヒカリは12着。今年は逃げることができたが、2番手追走のラブリーデイにすぐ後ろから終始マークされる厳しい競馬となった。気分屋でムラな面があるだけに、そのプレッシャーが響いた印象だ。