「高松宮記念・Ｇ１」（２７日、中京）

　ビッグアーサーがＧ１初挑戦初Ｖのチャンスを迎えた。最終リハは２４日、栗東坂路。予定通りにしまい重点だったが、序盤から抑え切れないほどの手応え。文句なしの臨戦態勢をつくり上げた。初コンビの福永も、先週の阪神大賞典で戦列復帰後初の重賞Ｖ。余勢を駆った翌日のフラワーＣもゲット。勢いのある人馬が早春の桶狭間で躍動する。

　戦いが近いことを察知しているのだろう。栗東坂路。ビッグアーサーが迫力満点の気配で坂を駆け上がる。それでも序盤は燃える闘志に鍵をかけ、その時を待つ。ステッキを引き抜いたのは坂上手前だ。待ってましたと瞬時に反応すると、ラスト１Ｆを１２秒０（４Ｆ５１秒０）でまとめた。

　動きを見届けた藤岡師は「先週、時計（栗東坂路４Ｆ４９秒５）を出しているから上がり重点で。体の張りが素晴らしく良くなってきましたね。文句なしの状態と言っていいでしょう」と胸を張った。

　前走のシルクロードＳ（５着）は、使ってきたことによる潜在的な疲れ、大外枠、馬場状況など複合的な要因が重なり、デビュー以来初めて複勝圏を外した。その結果を踏まえてリセット。中７週というゆったりしたローテを選択してつくり直した。「間隔をあけたことがいい方に向いているように思います」と指揮官は確かな手応えを口にする。

　先週は阪神大賞典＆フラワーＣの２重賞を制した福永も「左回りは良さそうですね。あくまでチャレンジャーですが、余裕を持ったローテもプラスに働くと思います」と初コンビに意欲を隠さない。

　昨秋のスプリンターズＳでは無念の除外。Ｇ１初挑戦となるが、コース適性は証明済みで、ようやく訪れたビッグチャンスだ。１年ぶりとなる桶狭間で、スピード王の称号をもぎ取ってみせる。