【マイルCS】モーリスが春秋制覇達成

 「マイルCS・G1」(22日、京都)

 マイル界に“絶対王者”が誕生した。安田記念V以来、5カ月半ぶりの実戦となった4番人気モーリスが直線で力強く末脚を伸ばし、07年ダイワメジャー以来の春秋マイルG1制覇を達成した。今年に入ってこれで5戦5勝。次戦に予定する香港国際競走の結果次第では、年度代表馬争いにも加わってきそうだ。2番人気フィエロは昨年に続き2着。1番人気イスラボニータはスタートでの出遅れが響き、3着に終わった。

 馬も騎手も役者が違った。5カ月半ぶりのハンディも、京都への輸送で大渋滞に巻き込まれるアクシデントも、安田記念からの直行馬が未勝利というジンクスも関係ない。世界を股に掛ける名手ムーアに導かれたモーリスが、淀の直線を鮮やかに抜け出し、史上10頭目のマイルG1春秋制覇を達成した。

 着実に進化を遂げてターフに帰ってきた。「輸送でイレ込みが心配だったから、パドックでまたがってから丁寧に丁寧に馬を扱っていた。でも、大丈夫だったね。ゲートも良かった」とムーア。好スタートを切ると、中団でピタリと折り合う。絶好の手応えで4角を回ると、内でもがくライバルたちを尻目に、疾風のごとく栄光のゴールを駆け抜けた。

 鞍上は早い段階で勝利を確信していた。「1000メートル(通過)の地点で本来の力を出し切れれば勝てると思ったし、残り400メートルはすごい脚だった」。2歳時の京王杯2歳S(6着)以来となるコンビを組んだ相棒に「気性的には内枠の方が良かったし、ペースももう少し速い方がいい。でも、馬が本当に成長しているよ。勝ててうれしい」と笑顔で話した。

 レース前日、京都までの輸送に費やした時間は予定より大幅遅れの約11時間半。そんな中での勝利に、堀師も手放しで喜んだ。「仕上がりは良かったけど、渋滞は誤算だった。でも、馬が乗り越えてくれました。きょうも落ち着いていたし、安田記念の方が気負っていたくらい。だいぶ大人になったのかな」と成長ぶりに目を細めた。

 次走は「この後の状態を見て」と前置きし、香港C(12月13日・シャティン)か香港マイル(同)を視野に入れる。条件戦から5連勝で偉業を達成し、絶対王者の地位を築いたモーリス。マイル界に新たな時代が到来した。

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