【エ女王杯】マリア猛追しのぎG1初V

 「エリザベス女王杯・G1」(15日、京都)

 新女王の誕生だ。6番人気のマリアライトが直線鮮やかに抜け出し、後方から猛然と追い込んできた1番人気ヌーヴォレコルトを首差封じてV。重賞初制覇を、初めて挑んだG1の大舞台で決めた。蛯名は史上2人目となる、JRA牝馬限定G1レース完全制覇を達成した。2着ヌーヴォレコルトは、昨年と同じく首差に泣いた。さらに鼻差3着には3歳馬タッチングスピーチが入った。

 西陽の底から立ち上がってくる18頭のシルエット。馬場の中央から、いち早く先頭に立ったのはマリアライトだった。「待っていても負けちゃう。自分から動いて行った」と蛯名。右ムチの連打に応えて末脚を伸ばすと、外から猛然と突っ込んできたヌーヴォレコルト、タッチングスピーチをわずかに振り切った。

 蛯名は「横に(2頭の)鼻面が見えているので、何とかしのいでくれと。いい状態だったので思い切って行った。完璧なレースだった」と胸を張った。休み明けのオールカマーで5着。勝ったショウナンパンドラ、2着ヌーヴォレコルトといった牝馬の一線級とは力の開きを感じさせる内容だった。だが、陣営はプラス12キロの馬体で掲示板をキープした一戦に、むしろ手応えをつかんでいた。「オールカマーを使って一気に良くなったね」とは久保田師。輸送もあった今回はマイナス10キロとシェイプアップに成功。重賞初制覇がうれしいG1、厩舎にとっても初めてのビッグタイトルを手に入れた。

 「占いを見たら“急がず地道に行きなさい”と書いてあったので、その通りにした」と珍しくジョークまで飛び出して喜びを表した蛯名。位置取りについて聞かれ、「出たなりであのへんの位置になった。占い通りだな」と笑みがこぼれた。

 3歳時は1000万下でもたついて出世が遅れていたが、血統は折り紙付きだ。兄は13年のジャパンダートダービー馬で、それを含めて交流重賞3勝のクリソライト。弟は今年の神戸新聞杯を勝ったリアファル。1番人気の菊花賞で3着に敗れた弟に代わって、姉が一気に頂点まで上り詰めた。

 血の確かさを証明した一戦に、「4歳馬でレースも回数を使っていないので、まだまだ良くなる。このまま順調にコンスタントに使えれば」と結んだ蛯名。自身にとっては3冠牝馬アパパネでも勝てなかった(3、4歳時にいずれも3着)エリザベス女王杯を制し、史上2人目となる牝馬G1完全制覇を達成。イスラボニータで挑む、次週マイルCSへ弾みをつけたに違いない。

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