【オークス】ルージュ静かなる逆襲リハ

 「オークス・G1」(24日、東京)

 前走時とは一変した“静”の追い切りで巻き返しを図る。1番人気の桜花賞で9着に敗れたルージュバックは20日、美浦Wで4F52秒9をマーク。G1では異例と言える直前入厩での参戦、さらに5Fから65秒0の好時計を叩き出した桜花賞とは真逆の上がり重点の最終追い切り-フレッシュさの維持に主眼を置き、反撃の一打を放つ。なお、出走馬と枠順はきょう21日に確定する。

 充満したエネルギーをあえて封じ込め、淡々とハロン棒を通過していく。悪夢の桜花賞から1カ月余り。単勝1・6倍で9着に散ったルージュバックの放つ反撃の一手が、静かな走りに凝縮された。派手さはなくとも、強い信念を感じさせる最終リハだ。

 スタンド前から美浦Wに入り、はるか前方のダノンウルフ(3歳未勝利)をゆったりと追走。ようやくペースアップしたのが残り4F過ぎ。6~7馬身の差を徐々に詰め、直線は内から末脚を伸ばす。前脚を叩きつける独特の走法で、4F52秒9-37秒0-11秒7をマーク。最後まで馬なりのままで半馬身先着を決めた。

 「全体の時計は出さず、最後の3Fをどういうふうに上がってくるのか。はじけ方は良かったですね」と大竹師はうなずく。同じく美浦Wで5F65秒0の超抜時計をマークした桜花賞時とは一転し“静”の姿勢で終えた最終追い切り。「馬の能力を出せれば、と思っているんです」。フレッシュさを最重要視する策が、陣営の導き出した答えだ。

 柔軟な思考で逆転へのシナリオを練った。前走後は福島県のノーザンファーム天栄へ放牧。週1回のペースで牧場を訪れている指揮官はひとつの決断を下す。「天栄でやっている時の目の輝き。活気があって良かった。ギリギリまで向こうで調整してもいいのではないか」。美浦トレセンへの帰厩はレースの12日前。G1では異例の直前入厩が、調整法の大胆なモデルチェンジの象徴だろう。

 「桜花賞の敗因をひとつに求めるのは難しい。ただ大きな原因は僕自身の経験不足」。初距離、空前のスローペース。考え得る要素を全てシャットアウトし、45歳の新鋭トレーナーは敗戦を一身に背負う。負けてもなお、オーナーサイドは凱旋門賞(10月4日・ロンシャン)の一次登録を済ませた。誰もが認める世代トップクラスのポテンシャル。大観衆が集う4日後の府中まで、その輝きは取っておく。

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