【皐月賞】リアル、ディープ産駒初栄冠へ

 「皐月賞・G1」(19日、中山)

 西の大器が力強く伸びた。リアルスティールは15日、栗東坂路で僚馬を圧倒。粗削りの走法ながら能力の高さをアピールした。出世レースとして知られる共同通信杯を史上初めて、キャリア1戦で制覇。矢作師、主戦の福永ともにほれ込む好素材が自信満々に東上する。もう1頭のディープインパクト産駒で、2歳王者のダノンプラチナも美浦Wで抜群の動きを披露。同産駒初の皐月賞制覇に向けて、ともに気配は上々だ。なお、枠順は16日に確定する。

 粗削りの走りながら、能力の高さで僚馬を圧倒した。リアルスティールは福永を背に、栗東坂路で併せ馬。道中はふらつくシーンもあったが、ブリンディス(3歳未勝利)と馬体を併せ、鞍上のゴーサインとともに力強く加速する。ゴール前でステッキが抜かれると、そのアクションにもすかさず反応して、もうひと伸び。0秒5先着を果たした。

 重いチップをものともせず、刻まれたのは4F52秒1-37秒8-12秒3の好タイム。「抜け出してからもたれたり、まだまだだな、という点はある。能力は高い馬で、そういうところが修正されれば走ってくると思うが、現時点ではこんな感じ」と鞍上は最終デモを振り返った。期待が高いからこそ、ジャッジが少々辛口になるのは当然だろう。

 自身の皐月賞父子制覇も懸かる鞍上は、追い日以外にも、積極的にまたがってシンクロ度を高めてきた。「日替わりで動きにバラつきはあるが、順調に来ているし、2週前の追い切りよりもいい」と状態面について太鼓判。本番に向けて一層自信を深めた様子だ。

 前哨戦のうっぷんを晴らしたい。スプリングSは、2歳王者ダノンプラチナをマークする策が裏目に出て首差2着。「馬券を買ってくれたお客さんに対する申し訳なさ、そして負けて悔しかったこと以外はいいトライアルだった。試したかったことが全部クリアできたので」と矢作師は再度の中山内回り攻略に腕をぶす。惜敗を糧としたい考えだ。

 12年ダービーを制したディープブリランテに続いて、厩舎にクラシックタイトルを意識させる好素材。「久々に緊張していますよ。それだけの手応えを感じさせてくれる馬ですから。同時期のブリランテの方が完成されていたが、その分、リアルスティールはもっと大きく化けそう」と指揮官は期待を膨らませた。ディープインパクト産駒初の栄冠へ、西の大器が意気揚々と決戦の地に赴く。

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