【高松宮記念】ヴェロシティ余裕の流し

 「高松宮記念・G1」(29日、中京)

 香港から参戦する昨年の香港スプリントの覇者エアロヴェロシティは26日、中京芝で単走追い。4F57秒5とソフトな調整だったが、青写真通りの仕上げに陣営は手応えをつかむ。なお、この日、出走馬18頭が確定。馬券は28日に前日発売が行われる。

 これが追い切りかと思うような軽めのアクションだった。香港のエアロヴェロシティは、中京競馬場の芝を単走で追われたが、ソフトな内容だった。

 午前6時半過ぎ、落ち着いた姿で芝コースに現れ、向正面では大外へと進路を取ると、芝に蹄跡を残しながら、馬場状態と手前をチェックしてゆったりと走った。直線でもトップスピードへと上げることはなく、サラッと流しただけ。4F57秒5-43秒2-13秒8と全くの馬なりだ。

 「輸送を考慮して少し抑えました。地元の香港でバリアトライアル(芝1200メートルの模擬レース)を使っての来日で、内容は地元のメニューとほぼ同じ」。オサリバン師は予定通りと説明した。

 来日直前の10日に実戦形式の模擬レースを消化してきた。ポイントはそこにある。パンチー・ン助手によれば「模擬レースを使って調教は軽め。この馬はそのパターンでいつもうまくいっている」と言う。

 課題とされた香港から約10時間の空輸で、到着時は体が減って神経質になっていたが、26日の追い切り後の計測で540キロ。前走時に戻した体重にオサリバン師は「カイバの食いも良く、満足している」とうなずいた。

 左回りもニュージーランドでのデビュー戦1着で克服済み。それどころか「右回りでは直線で右手前に変えるところがありますし、コーナーで外にもたれる。きょうの手前変えはスムーズだったし、左回りの方が合いそうな感触はあります」とン助手は前向きだ。

 レーティングは118。この数字は日本馬で最高順位のコパノリチャード(117)を上回る。昨年の香港スプリントを制するなど、実績は上位。ソフトな追い切りがマイナスにならないとすれば、日本馬にとって最強の敵となる。

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