【AJCC】ゴールド15年初戦へ合格点

 「AJCC・G2」(25日、中山)

 芦毛の5冠馬ゴールドシップが15年の始動戦に臨む。1番人気に推された昨年の有馬記念は3着に終わったが、そこを叩かれたことで状態面はさらに上向き。21日、栗東坂路で行われた最終デモでは活気あふれる動きで2馬身の先着を決めた。今春の最大目標は宝塚記念(6月28日・阪神)の3連覇。偉業達成を見据え、大きく弾みをつけたいところだ。一方、美浦Wではフェイムゲームが躍動。重賞3勝馬が充実ぶりを印象付けた。

 有馬記念優勝馬の参戦は、83年アンバーシャダイ(1着)以来32年ぶり。56回を数える伝統のG2戦に臨むゴールドシップが、栗東坂路で活気あふれる動きを披露した。「有馬記念以上の出来。今年初戦なので楽しみ」。手綱を取った岩田が期待を込めた。

 馬場整地後の栗東坂路で、ディーセントワーク(4歳500万下)との併せ馬。力強く四肢を回転させ、ラスト1Fで軽くゴーサインを送られると瞬時にひと伸び。追いすがる僚馬に2馬身先着した。タイムは4F52秒6-38秒3-12秒5。「動きはすごくいい。反応も良かった。常歩、速歩でもキビキビしていた」と鞍上は合格点を与えた。

 主役の座は譲れない。昨年の有馬記念は3着に終わったが、勝ち馬とはわずか0秒1差。苦手とするスローペース&切れ味勝負でも崩れなかった。「復調途上だった一昨年の3着とは内容が違う」と今浪厩務員は胸を張る。引き続き舞台はG12勝を含む〈2020〉の中山。リラックスしてレースに臨めるよう、これまでの中山遠征時と全く同じ場所の出張馬房を利用する予定だ。「コース相性自体も悪くないが、中山では不思議と落ち着きが出る」と目を細めた。

 今春はドバイシーマクラシックに登録済みだが、上半期の最大目標はあくまで3連覇が懸かる宝塚記念だ。「年明け初戦で弾みをつけてほしい」とベテラン厩務員はエールを送る。厩舎で二枚看板を務めたジャスタウェイは世界一のままターフを去った。“同級生”から託されたバトンを握り締め、芦毛の5冠馬が現役最強を誇示していく。

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