99年菊花賞Vの渡辺助手は沖師に感謝
JRAは11日、15年度新規調教師合格者を発表した。ナリタトップロードで99年の菊花賞を制した渡辺薫彦助手(39)=栗東・沖、ヒシアマゾン、アストンマーチャンとのコンビでG13勝の中舘英二騎手(49)=美浦・フリー=をはじめ、6人の新人トレーナーが誕生した。
“師匠”の沖師に感謝。3度目の調教師試験挑戦で見事に花を咲かせた渡辺助手は穏やかな表情で合格の喜びを語った。
「合格の報は沖先生から受けました。自厩舎で掃除をしていたんですが、すぐに実感はわかなかったですね」とほほ笑む。
沖厩舎の所属ジョッキーとして長きにわたって活躍。ナリタトップロードで菊花賞を勝ち、騎手としては通算成績7262戦339勝を挙げた。
この日、口から出てきたのは師への感謝の気持ちばかり。「沖先生の奥さんから“(沖師は)薫彦くんと一緒に北海道へ馬探しに行くのが夢なんだよ”と聞かされていました。だから何とか先生が現役のうちに合格したいと思っていました」
目標とするトレーナーはもちろん沖師。「ナリタトップロードのような誰からも愛される馬を育てたいです。現役時代に手が届かなかったダービー(トップロードで2着)を勝ちたい」と、やや緊張した面持ちで抱負を語った。