【AJCC】バラード勝利も後味悪く…

 「AJCC・G2」(20日、京都)

 今年から適用された降着・失格の新ルールが、早くも物議を醸した。勝ち馬ダノンバラードが直線で内側に斜行し、2着トランスワープの走行を妨害。審議ランプが点灯しなかったことに対して、被害馬陣営が異議申し立てを行った。着順は覆らなかったが関係者からは不満の声も聞かれ、後味の悪い一戦となった。

 今年から適用がスタートした降着と失格に関する新ルールを巡って、レース後の中山競馬場検量室とその周辺は騒然としたムードに包まれた。

 直線残り1F付近で、内へ切れ込みながら抜け出したダノンバラードが(5)枠2頭のトランスワープ(2着)、ゲシュタルト(9着)の進路をカット。特にトランスは前の2頭の間を割って末脚を伸ばしながら、体勢を大きく崩す不利を受けた。その後盛り返して1馬身1/4差で入線したがレース直後、審議のランプは点灯しなかった。

 大野は「着順は(不利がなければ)入れ替わっていたでしょ」と憤慨。多くの騎手からも「これではやり得だ」「こんな新ルールはやめようよ」といった不満の声が上がるなか、萩原師と鞍上は、1着馬の降着を求める異議申し立てを行った。これを受けて審議のランプが点灯されたが、JRAは申し立てを棄却。到達順位の通りに確定した。

 12R終了後、JRA審判部はマスコミへ説明の場を設けた。「着差などをトータルで見て、今回のケースは加害馬より被害馬のパフォーマンスが上回ったとは判断せず、新ルールでは審議ランプをつけるには至らないとした」との見解を発表。ただし1着馬は継続的に内斜行したため「レース直後に“のちほどパトロールビデオを放映する”と放送した。これが昨年までの、審議のランプに代わる表現」と語った。

 一方で「去年までのルールなら、恐らくダノンバラードは走行妨害との認定で降着になっていただろう」とも。馬のパフォーマンスが尊重される新ルールが、完全に浸透するには時間がかかりそうだ。

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