チャンバラトリオ・山根伸介さん逝く

 亡くなったチャンバラトリオの山根伸介さん(中央)最後の舞台=2015年5月12日
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 時代劇風コントや、大阪名物ハリセンチョップなどの芸で人気を博したお笑いグループ「チャンバラトリオ」のリーダー、山根伸介(やまね・しんすけ、本名利雄=としお)さんが14日午後0時10分、肝臓がんのため京都市上京区の病院で死去したことが21日、分かった。78歳。京都市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻記子(のりこ)さん。5月にがん闘病中であることを告白、52年間続いたトリオの解散式を開いていた。

 東映京都撮影所の「斬られ役」から転身し、子供の頃から大好きだったチャンバラ一筋でお茶の間を爆笑に包んだ名人が逝った。

 大阪市内で取材対応した弟子の漫才師・宮川花子(60)によると、容体がおもわしくないとの知らせを受けて11日に病院に駆けつけたところ、山根さんは覚悟を決めた様子で花子の手を握り「さようなら…終わった」とつぶやいたという。その後は眠り続け、静かに息を引き取った。

 63年に頭(かしら)こと故南方英二さん、伊吹太郎さん(脱退)とトリオを結成。本格的な殺陣と、考案したハリセンを使ったドタバタ劇で人気を博した。コントの最後に“お仕置き”として、多くの場合、伊吹さんが舞台の端から走り込まされて南方さんにハリセンではたかれる「大阪名物ハリセンチョップ」は、子供たちにも大人気だった。

 度重なるメンバー交代を経ながら舞台に立ち続けたが、2010年に南方さんが他界して以降は気落ちした様子でグループの“幕引き”を口にするようになった。約4年前からがん闘病が続き、昨年末に容体が悪化した際は遺言ビデオを撮影。「チャンバラトリオはこれで終わった」と語っていたという。

 今年に入って体調が回復したため、弟子らが芸人として最後の舞台をと願い、5月に慣れ親しんだ京都・祇園花月でファン200人を集めてトリオの解散式を開催。「ガキの頃からチャンバラごっこ。大人になってもチャンバラごっこで歩ませていただきましたが、体力の限界。潔く幕を下ろします」と宣言していた。その後も病室で後進のために舞台の台本を書いていたという。

 大の巨人ファンで、大阪で元巨人・桑田真澄氏の後援会を立ち上げていた山根さん。17日の葬儀では、ひつぎにジャイアンツのタオルが納められた。

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