ドカベン香川伸行さん、心筋梗塞で急死

 南海(後にダイエー、現ソフトバンク)で捕手として活躍した香川伸行氏が26日午後7時34分、心筋梗塞のため、福岡県朝倉市の病院で死去した。52歳の若さだった。大阪府出身。浪商(現大体大浪商)時代に牛島和彦氏とバッテリーを組み、甲子園では「ドカベン」の愛称で親しまれた。葬儀・告別式は30日午前11時から、朝倉市頓田147の1、いすや斎場頓田会館で。喪主は妻弘美(ひろみ)さん。

 香川さんは、近年は腎臓などを患い、人工透析治療を受けていた。関係者によると、26日午後6時半ごろ、福岡県筑前町の自宅で倒れ、緊急搬送された。家族の話では最近体調を崩していたという。

 水島新司氏の人気野球漫画「ドカベン」に登場する明訓高の捕手でスラッガーの主人公、山田太郎の実写版のように強打を連発した。浪商時代は細身の牛島投手とのコンビで1979年センバツ準優勝。同年夏の甲子園では3試合連続本塁打で4強入りし、春夏合わせて5本塁打を放つ活躍を見せた。

 80年にドラフト2位で南海に入団。1年目は初打席初本塁打を打ち、15本塁打をマークした83年にはベストナインにも選ばれた。一方で、約170センチの身長に対し、100キロを超える体重で膝、足首は悲鳴を上げた。プロでは成績もなかなか伸びず、打力を生かすために85年オフには三塁手に転向。だが、89年限りで引退した。

 チームが低迷した南海で、香川氏の人気は全国区だった。オフには減量作戦が話題になり、シーズン中には試合中に西宮球場でカツ丼を食べているのを目撃されるなど、その愛嬌(あいきょう)で皆から好かれた。

 現役引退後は野球解説や硬式野球クラブの指導者、少年野球大会も主催するなど球界と関わり続けた。2006年には長男が夏の甲子園に福岡工大城東の選手で出場した。

 ファンを楽しませた巨体が体に負担をかけたのか-。たぐいまれなキャラクターで愛された「ドカベン」が、太く短い人生を終えた。

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