まど・みちおさん死去 104歳大往生

 「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「一ねんせいになったら」などを作詞した、戦後を代表する童謡詩人まど・みちお(本名石田道雄=いしだ・みちお)さんが2月28日午前9時9分、老衰のため東京都稲城市の病院で死去した。104歳。山口県出身。葬儀・告別式は近親者で行う。喪主は長男石田京(いしだ・たかし)さん。

 まどさんは100歳を前にした2009年、高齢を理由に入院した。昨夏は自著にサインするなど元気な様子だったが、秋ごろから体調が悪化していた。

 小学校時代に台湾に渡り、台北工業学校卒業後、台湾総督府に勤務していた1934年、児童雑誌「コドモノクニ」に詩を投稿。詩人・歌人の北原白秋の選で特選になったのをきっかけに、童謡の作詞を始めた。

 36年、童謡「ふたあつ」が発売され注目されるように。52年にNHKラジオで放送された「ぞうさん」のほか「やぎさんゆうびん」「ドロップスのうた」「一ねんせいになったら」などを次々発表。子どもから大人まで広く愛唱され、戦後を代表する童謡詩人となった。ユーモアにあふれ、人間や自然に対して肯定的に生きる喜びを歌った作品は千編を超える。

 自分に対しては、厳しさを貫いた。集大成といえる「まど・みちお全詩集」に、太平洋戦争時に書いた「戦争協力詩」2編を収め、そのあとがきをざんげに費やして自身の非力さを終始責めた。

 皇后さまが英訳した詩集などが評価され、94年に国際アンデルセン賞作家賞を日本人で初めて受賞した。

 68年野間児童文芸賞、81年巌谷小波文芸賞。94年には「‐全詩集」で路傍の石文学賞特別賞を受賞。

 晩年も創作意欲は衰えず、09年には100歳の誕生日を機に新作詩集を2冊刊行して話題になった。

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