小野田寛郎氏死去…終戦後も潜伏30年

 戦後30年近く、フィリピン・ルバング島に潜み、帰国後は青少年を対象にした野外教室「小野田自然塾」を開くなどした元陸軍少尉の小野田寛郎(おのだ・ひろお)氏が16日午後4時29分、心不全のため東京都中央区の病院で死去したことが17日、親族への取材で分かった。91歳。和歌山県出身。親族のみで密葬を行う。体調を崩し6日から入院していた。

 1942年に応召。陸軍中野学校二俣分校で遊撃戦の訓練を受け、44年ルバング島に派遣された。終戦を信じずにとどまり、74年3月、約30年ぶりに帰還した。

 75年にブラジルに移住し牧場を経営する傍ら、「子どもたちをもっとたくましく」とルバング島の経験を生かし、84年から日本各地で小野田自然塾を開催。96年にはルバング島を22年ぶりに訪問。著書に「たった一人の30年戦争」などがある。

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