克美しげるさん 2月に死去していた

 アニメ「エイトマン」の主題歌で知られ、NHK紅白歌合戦にも出場した元歌手の克美しげる(かつみ・しげる、本名津村誠也=つむら・せいや)さんが2月27日、脳出血のため栃木県佐野市の病院で死去していたことが2日、分かった。75歳だった。宮崎県出身。葬儀・告別式は近親者で行った。人気歌手から一転、70年代に愛人を殺害し服役、出所後には覚せい剤取締法違反で逮捕されるなど、波乱の人生を送った。

 日本中を騒がせた衝撃事件から37年。克美しげるさんは、波瀾万丈の人生の幕をひっそりと閉じていた。

 克美さんは1961年に「霧の中のジョニー」で歌手デビュー。60年代にアニメ「エイトマン」の主題歌、「さすらい」が続けてヒットし一躍人気歌手となった。NHKの紅白歌合戦やドラマにも出演したが、その後人気は低迷した。

 10年ぶりの新曲で再起を図っていた76年5月、愛人関係にあった銀座ホステスを絞殺。遺体を車のトランクに入れ、北海道にキャンペーンに赴いたが、羽田空港に駐車中の車から遺体が発見され、逮捕された。同年8月、東京地裁で懲役10年の判決を受け、大阪刑務所に服役。ショッキングな事件とあって、当時、新聞やワイドショーで毎日のように大きく取り上げられた。

 83年に仮出所後は、カラオケ教室を開くなど落ち着いた生活をしていたが、89年に覚せい剤取締法違反で逮捕。懲役8カ月の実刑判決を受け服役した。

 その後、一時体調を崩していたが、2000年代にはテレビなどにも出演するように。悔恨の情から写経をする日々なども伝えられた。08年3月に、都内でおよそ30年ぶりとなる公の場でのライブを行った際には、「これで吹っ切れた思いです」となどと語っていた。

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