約1千万円の純金製茶わん、盗んで即売却180万円→転売で480万円、背後に何が?元刑事が解説

 日本橋高島屋(東京都中央区)で開催されていた展示販売会「大黄金展」から純金製茶わん(販売価格1040万6千円)が盗まれた事件で、窃盗容疑で逮捕された堀江大容疑者(32)が約180万円で茶わんを売却した東京・江東区の買い取り店から、約480万円で台東区の店に転売されていたことが18日までに分かった。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏はデイリースポーツの取材に対し、いまだ“謎”の多い事件の背景を解説した。

 警視庁捜査3課によると、堀江容疑者は11日午前に茶碗を盗み、午後1時半ごろに江東区内の店「A」に売却。同日中には台東区の店「B」への転売手続きが完了し、15日に警視庁が押収した。堀江容疑者は「借金があった」と供述していることも判明。同課では売却や転売の経緯を詳しく調べている。

 小川氏は「容疑者は犯行後、現場店舗に30分も滞在し、防犯カメラにその姿を記録され、それが逮捕につながるという“稚拙”な犯行だった半面、背負っていたリュックサックを盗む時には前にして盗品を入れるなど手慣れている面もあった。さらに、盗品をすぐ買い取り店Aに持って行っているということは、過去にもこの店を利用したことがあるのではないか」と推測した。

 さらに、同氏は「A店では180万円という、あまりにも安い買い取り価格だった。容疑者は金の値段を知らなかったのか、あるいは、その価格でOKしたということには何か不自然なものが(背景に)あるのか。また、買い取り店Aがその日のうちにB店に転売したということも、これは私の推測だが、A店が不自然さを感じ、転売を急いだとも考えられる。またB店の買い取り金額は当日の相場で妥当である」と指摘した。

 同氏は「通常、買い取り業者は品物を持ってきた者に対して、その身元や入手先などを細かく聞き、不審な点があれば警察にすぐ情報提供する関係を築いている。その点でも、今後の捜査によって、新たな事実が出てくるかもしれない」と見解を述べた。

 また、防犯対策について、同氏は「茶わんはアクリルのケースに入って展示されていたが、鍵がかかっていなかったという。展示品なので鍵を付けると見栄えが悪いのなら、物を動かすとアラームが鳴るような設定にしておくとか、警備員の人数を増やしておくべきだった」と注意喚起した。

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