篠沢教授 クイズダービー出演は長男の死の「気分転換」だった

取材に応じる妻・礼子さん=都内
爽やかな笑顔の写真が遺影に使われていた故・篠沢秀夫さん=東京都文京区の護国寺(撮影・中田匡峻)
たくさんの花に囲まれ、美しく飾れる篠沢秀夫さんの遺影=東京都文京区の護国寺(撮影・中田匡峻)
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 学習院大名誉教授、TBS系人気番組「クイズダービー」の解答者で知られ、10月26日に84歳で亡くなった篠沢秀夫さんの通夜が6日、都内で営まれた。妻の礼子さんが、クイズダービーに出演した時の秘話を明かした。

 篠沢教授がクイズダービーに出演し始めたのは77年からだったが、実は75年に海の事故で長男を亡くしていた。出演の理由について礼子さんは「気分転換したかった。それで出たらしいということを言っていました。悶々としていて、そう言っていましたね」と振り返った。

 そして、もう一つ。珍回答で司会の大橋巨泉さんから突っ込まれるやり取りも番組の名物だったが、ここにも篠沢教授の思いがあったという。

 「自分は(クイズが)できないけれど、できなくてもいいんだということをみんなに知らせたいらしく、そういうチャンスがあったので、出させていただいたと。できなくてもいいということで出させていただいた(ということだった)」

 学習院大時代から、後に名優となる児玉清さんと親交が深く、篠沢教授自身も役者になりたいという希望があったという。しかし、礼子さんによると、「児玉清さんと比べると見劣りがするので、ブロマイドが売れないと思ったんですって。それで役者になれないから学者になったと言っていました」。そうした経緯を知る同級生からは、テレビで活躍する姿を見て、「篠沢本来の姿になった」と言われていたという。

 「自分の信念で人気が出たからうれしいんじゃないですか」と本人の思いを代弁した礼子さん。ALSと共に闘った日々を振り返りつつ、「パパ、どうして逝ってしまったの?私も一緒に連れていってほしかったと思います。でもしょうがない。頑張っていきていきます。それしかない」と気丈に話していた。

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