神山繁さん託した遺志「ただのカルシウムだよ。葬式無用」…3日に急逝

 テレビの人気ドラマ「ザ・ガードマン」(1965~71年)や、「踊る大捜査線」シリーズ、映画「アウトレイジ ビヨンド」などに出演し、名脇役として知られた俳優・神山繁(こうやま・しげる)さんが今月3日に肺炎のため京都市内の自宅で亡くなっていたことが16日、分かった。87歳。所属事務所の佐々木寿美映社長によると、元日の電話で年始のあいさつを交わした際は元気な様子だったが、3日に容体が急変し、帰らぬ人となった。

 神山さんに子供はおらず、妻が最期を看取った。苦しむ様子はなかったという。神山さんはきょう16日に米寿(88歳)の祝いを迎えるはずだった。

 佐々木社長によると、神山さんは生前「たまに思い出してくれればいい。亡くなったら、ただのカルシウムだよ」と話していたそうで、「葬式無用、戒名不要」と伝えていた。葬式は行わず、近親者のみで見送った。「お別れの会」なども故人の意向で一切行わない予定という。

 神山さんは昨年1月、間質性肺炎を発症。自宅で静養していたが、同3月、京都市内の病院に入院。5月に退院し、その後は自宅で療養を続けていた。

 神山さんは海軍経理学校出身。趣味は陶器などの美術鑑賞で、英語も堪能だった。ハリウッド映画「ブラックレイン」(89年、リドリー・スコット監督)にも出演。07年にはNHKの教育番組「英語でしゃべらナイト」に最高齢で出演している。

 1952年、文学座に入り、演出助手の後、俳優に。75年に演劇集団「円」の旗揚げに加わった正統派の新劇俳優。気骨があり、地位も品もある役柄を多く演じ、重厚な演技で知られた。

 最後に出演したのは北野武監督の「アウトレイジ ビヨンド」(12年)。ドラマはNHK連続テレビ小説「マッサン」(14年9月~15年3月)に和尚役で出演したのが最後となった。

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