フジ社長、時代劇のあり方語る 「勧善懲悪は難しい」

 フジテレビが25日、定例の社長会見を開いた。1989年から放送されてきた時代劇「鬼平犯科帳」が12月2日、3日の「鬼平犯科帳 THE FINAL」(後9時)でシリーズを締めくくることを受け、亀山千広社長が鬼平こと長谷川平蔵を演じてきた歌舞伎俳優の中村吉右衛門に対して、あらためて謝辞を送った。終了の理由の一つに、原作を逸脱してストーリー展開できないこともあり、惜しまれながら「鬼平-」は終わる。今後の時代劇のあり方については、単純な勧善懲悪の要素だけでは「鉱脈を見つけるのは難しい」と、工夫が必要だとした。

 「中村吉右衛門さんは歌舞伎界のスーパースターで大御所の大役者さんです。28年間、歌舞伎の舞台の合間を縫いながら、テレビに、鬼平に没頭してくれたことに関しては、心から感謝したいと思います」と敬意を表した。「大変なご苦労があったと思います。舞台とテレビの流儀はまったく違いますし。テレビを愛してくれていた。鬼平という役に没頭することが、歌舞伎役者の血なんだろうという気がして、頭が下がるし、感謝の言葉以上のものを(送りたいと)感じます」とシリーズ最終回にあたっての思いを語った。

 時代劇が地上波放送から姿を消しつつあるが、フジテレビとしては月9ドラマ初の時代劇「信長協奏曲」を14年に放送し、今年公開された映画版も好評だった。「鬼平-」もハードボイルドな作風で、アコースティックギターが哀愁漂うメロディーを奏でるジプシー・キングスの「インスピレイション」をテーマ曲に採用するなど、従来の作品にはない存在感を示してきた。

 社長も「やり方はある」と広く受け入れられる時代劇を生み出すことは可能と考えている。「勧善懲悪、チャンバラ時代劇ということでは地上波は鉱脈を見つけるのは難しいかもしれませんけど…。時代劇というものがエンターテインメントからなくなることはないと思いますので、また時流が来たらすぐ復活すると思います」と思いを語った。

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