ポケモンGO 過失致死傷罪に住居侵入罪の可能性も 「行列」北村晴男弁護士が指摘

 スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の配信が22日に日本でも始まった。現実世界を舞台にポケモンを捕獲する内容に、米国では交通事故に巻き込まれるケースが発生。日本政府や警察も安全な使用を呼びかけるほどの熱狂ぶりだ。夢中になるあまり、人にぶつかってケガをさせたり運悪く死なせてしまったらどうなるのか。日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士に聞くと「過失致死傷罪に問われる可能性がある」と指摘した。

 「ポケモンGO」は現実に外出し、GPSを使って外を歩き、スマホの画面に現れたポケモンを捕獲する。先行配信された米国では夢中になって捕まえようとするあまり、男性が崖から転落する事故も起こった。自分がケガをするだけでなく、他人を巻き込んでケガを負わせたり万が一にも死なせてしまう可能性は排除できない。

 北村弁護士は「使用者本人が過失致死傷罪に問われる可能性がある」とし、「ゲームに夢中になって周りへの注意がおろそかになり、その結果として他人とぶつかってケガをさせてしまうことは十分に予測できる」と理由を説明した。刑法では過失傷害罪は30万円以下の罰金または科料に処せられ、過失致死罪は50万円以下の罰金に処せられる。

 他人とぶつかるだけでなく、制限区域に侵入しようとする使用者もいる。22日には地震で被災した熊本城の立ち入り禁止区域内でゲームをしようとした男性が制止された。米国では原発敷地内に侵入する事例があり、日本では原子力規制委員会が原子力施設周辺の警備強化を大手電力会社に要請した。

 住居侵入罪または建造物侵入罪に該当するかどうかについて北村弁護士は「同罪は故意犯であり、他人の住居等であることを認識しながら侵入しなければ同罪は成立しない。ただし、第三者から見ると認識があるかどうかは分からないのでいったん逮捕される可能性がある」と指摘した。ちなみに住居侵入罪は3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処せられる。

 各種罪に問われた場合、「こんなゲームを作ったヤツが悪い」とメーカー側へ責任を求める声が及ぶことについて北村弁護士は「第一義的に使用者に責任がある。野球のバットは場合によっては誤って人を傷つけてしまうことがあるが、メーカーが責任を負うことはない」と指摘。使う側に責任があるとの見解を示した。

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 北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツなど幅広いテーマでメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(https://www.tama-project.com/mailmagazin/)」を配信中。

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