埼玉の女子生徒救った 公衆電話に再注目

 行方不明だった埼玉県朝霞市の女子生徒(15)が2年ぶりに保護された事件で、生徒が公衆電話から110番して保護されたことで、公衆電話の有用性があらためて注目されている。また、生徒が寺内樺風(かぶ)容疑者(23)=未成年者誘拐容疑で逮捕状=と外出した時の状況を「手をつなぎ逃げないようにされていた」と話していること、寺内容疑者に「お前は捨てられた。誰も捜していない」と言われていたと話していることが30日、捜査関係者への取材で分かった。

 生徒は寺内容疑者の東京都中野区のマンションを脱出後、近くのJR東中野駅の公衆電話から110番した。携帯電話の普及で撤去が進む公衆電話だが、緊急や災害時の有用性があらためて注目されている。

 警察への110番や消防への119番など、公衆電話から緊急通報する際は、現金やテレホンカードを使わず無料で通話できる。災害の発生で通信が規制されても、優先的に電話がかけられる仕組みになっている。電話回線を通じて電力が供給されるため、停電による影響も受けにくい。

 最盛期(1984年度)には約93万台の公衆電話があったが、2014年度末には約18万台まで激減。NTT東日本と西日本は総務省の基準に基づき、面積に応じて一定の数を維持しているが、街頭で見掛けることは少なくなった。公益財団法人「日本公衆電話会」が08~09年、小学生に実施したアンケートでは、半数近くが公衆電話を使ったことがなかった。

 広報担当者は保護を受けて「身の安全を守るのに役立った。活動を地道に継続したい」と話している。

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