清志郎さんの「幻音源」初CD化

 1970年代に活躍し、「いにしえ」がヒットした伝説のフォークグループ「日暮し」の後期アルバム2枚が初CD化され、16日に発売される。同時購入で付く特典ディスクには、リーダー・武田清一氏(65)と故忌野清志郎さんらによる69年の初公開音源を収録。現在は東京・国立でジャズ喫茶「カフェ・シングス」を営む武田氏と、当時のプロデューサーで今回、リマスターを手がけた星勝氏(67)が、デイリースポーツに制作秘話を明かした。

 「日暮し」は60年代後半、清志郎さん、小林和生氏とバンド「The Remainders of The Clover」を組んでいた武田氏が72年に結成。「-Clover」はRCサクセションの前身だ。

 武田氏は日暮しを「和のニュアンスもポップな感じもある。普通に生きる人のそばにある、流行に左右されない音楽」と説明する。73年にデビューし、5枚のアルバムを発表して80年に解散。メンバーの武田氏、榊原尚美氏、中村幸雄氏は音楽界から引退した。

 今回、初CD化されるのは武田氏が「一番好きな、一番よくできたアルバム」という「ありふれた出来事」(77年)「記憶の果実」(79年)で、井上陽水らを手がけた日本を代表するプロデューサー、アレンジャーの星氏がリマスター。星氏が「武田君もしつこくこだわりますから」と言うようにギリギリまで作業を続け、「生き返ったように感じる音」(星氏)「マスターテープをそのまま再現させたよう」(武田氏)によみがえった。

 RCファン、清志郎ファンが驚喜する贈り物もある。特典ディスク収録の「あの歌が想い出せない」は69年、デビュー前のRCと武田氏が小林氏宅でカセットテープに録音。作詞が清志郎さん、作曲が武田氏で、後に「かぐや姫」に提供され、RCもシングルB面として72年に発表した“隠れ名曲”だ。

 武田氏の店を訪れる多くのRCファンからの「昔の音源は持ってないの?」という声に応えて発掘。武田氏が「(RC版とも)全然違う感覚。熱気みたいなものがある」と言うように、10代だった武田氏やRCのエネルギーがあふれる。武田氏は「日暮しファンもRCファンも喜んでくれると思う」と語った。

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