IS国人質解放へ駆け引き続く

 中東の過激派「イスラム国」を名乗る組織が、人質のフリージャーナリスト後藤健二さん(47)と、ヨルダンで収監中のイラク人の女サジダ・リシャウィ死刑囚の交換を求めている事件で、ヨルダン政府は31日、交渉の焦点であるヨルダン軍パイロットの生存確認を求め駆け引きを続けたもよう。部族関係者や宗教指導者らを通じイスラム国に働き掛けているとみられる。犯人側は表立った動きを止めており、事件は「膠着(こうちゃく)状態」だ。

 安倍晋三首相は首相公邸で31日夕、事件について菅義偉官房長官、岸田文雄外相に「極めて厳しい状況にある中で、ヨルダンをはじめ関係各国と緊密に連携を取り、解放に向けて引き続き緊張感を持って当たってほしい」と指示した。

 31日付のヨルダン紙アッドストールによると、ヨルダン政府高官は「カサスベ中尉の命は、リシャウィ死刑囚や、他の収監中のイスラム国指導者の生命と結びついている」と述べた。イスラム国関係者の死刑執行の可能性を示唆して、中尉に危害を加えないようけん制したとみられる。

 また、イスラム国を名乗る組織は31日までに、ヨルダンの情報機関に協力した「スパイ」として、シリア人の男性を殺害する映像をネット上に公開。邦人人質事件には言及していないが、ヨルダン政府に圧力をかける狙いがある可能性がある。

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