「野火」ベネチアで喝采!塚本監督感慨
第71回ベネチア国際映画祭で2日(日本時間3日)、コンペティション部門に出品された塚本晋也監督(54)の「野火」が公式上映され、主演も務めた塚本監督や出演したリリー・フランキー(50)、中村達也(49)らにスタンディングオベーションが送られた。
「野火」は大岡昇平さんの戦争体験を基にした小説が原作。塚本監督は約20年前から映画化を構想、フィリピンでの遺骨収集に参加しながら元兵士たちの話を聞き、脚本を執筆したという。
塚本監督は上映前の記者会見で「日本が戦争へ向かう動きが強まっていることに危機感を覚えた。今作らないとチャンスがなくなると思った」と製作の動機を説明。上映後には「感無量です。20年の節目がやっと来た」と語り、映画祭ディレクターのアルベルト・バルベラ氏に「今、この時代に上映するのに大事な作品」と訴えたことを明かした。
日本公開については「来年、終戦70年になるので、何らかの形でひっかかるように上映したい」とした。
