宮崎駿監督「加齢はどうしようもない」
引退を発表していたアニメ映画界の巨匠・宮崎駿監督(72)が6日、東京・吉祥寺で会見し「今回は本気です」と、現役を退くことを明言した。
【宮崎監督と一問一答】
‐引退を決めた時期は。
「よく覚えていないが『鈴木(敏夫プロデューサー)さん、僕もうダメだ』と言った」
‐「風立ちぬ」製作中に引退の予感は。
「映画を作るのに死にものぐるいですから、その後のことは考えていませんでした。僕はアニメの人間ですから、描かないと表現ができない。メガネを外してこうやって(机に顔を近づけるしぐさ)やらないと描けないんです。どんなに体調を整えても集中する時間は減っていく。『ポニョ』の時と比べて1日30分は減りました。加齢によって発生する問題はどうしようもない」
‐監督になって良かったことは。
「一度もない。アニメーターになって良かったことは何度かある。それはいい風が描けたとか光の差し方がうまくいったとかで2、3日は幸せになれるということ。アニメーターは自分に合った良い職業だったと思う」
‐作品を通して伝えたかったメッセージは。
「子どもたちに『この世は生きるに値するんだ』ということを伝えなければという思いは今も変わっていません」
‐夫人に引退は伝えたか。
「伝えました。『お弁当は今後もよろしく』と言いましたが『フン』と返された。常日ごろから『この年になってお弁当を作ってる人はいない』と言われてますからね」
