“美保の彼氏”小平やった!初の日本一

 「男子ゴルフ・日本オープン選手権・最終日」(18日、六甲国際GC東C=パー72)

 首位から出た小平智(26)=Admiral=が3バーディー、3ボギーの72でまとめ、通算13アンダーで初優勝を果たした。大会連覇を狙った池田勇太(29)=日清食品=とのデッドヒートを1打差で制した。13年の日本ツアー選手権に続くメジャー2勝目、ツアー通算3勝目。1打差で池田に敗れた昨年の雪辱を果たすとともに、元賞金女王の古閑美保さん(33)と交際を始めてから初の優勝となった。

 大ギャラリーが見守った最終18番のグリーン。1メートルのウイニングパットを決めると小平は小さくガッツポーズした。「僕が優勝して負けた人がいるから」と心優しい男。「達成感があった」と池田とのギリギリの死闘を制した、あふれんばかりの喜びを控えめな拳に込めた。

 2打リードで迎えた最終日最終組は池田との一騎打ちとなった。5番で4打差を付けたが、百戦錬磨の選手会長はしぶとい。10番でボギーをたたき1打差に迫られ、13番もボギー。ついに通算12アンダーで並ばれた。

 だが「並んで楽になった。こっからだ」とギアが上がるのが成長の証しだ。15番で「真ん中から入るイメージしかなかった」と、7メートルのバーディーパットをねじ込んだ。

 17番で再び追い付かれ、最終決戦の72ホール目。「プレーオフは全く考えていない。バーディーを取って自分が優勝する」と攻めた。得意のドライバーを振り抜き、310ヤード先のフェアウエーに置くと、2打目でグリーンをとらえた。池田が2・5メートルのパーパットを外した直後、無心でパーパットを打ち抜き、決着を付けた。

 昨年は猛追及ばず池田と1打差の2位。有言実行の「リベンジ」は、1カ月前から師事する脳神経外科・林成之医師の影響が大きい。「バーディーを当たり前と思うこと」「最後まで隙を見せるな」。師の教えが2日目の大会最少10アンダーにつながり、メジャー2冠を呼び込んだ。

 愛の力も爆発だ。古閑さんとの交際後、初勝利。この日、コースに姿はなかったが、前夜は連絡を取り合い、「普通にやったら優勝できるんじゃない」と背中を押されたという。「彼女に優勝報告できるのはうれしい」と顔をほころばせ、「上(賞金女王)を極めた人なので、林先生に言われたことも当てはまったりする」と“アゲマン”ぶりに感謝した。

 5年シードと来年の全英オープン切符も獲得し、「海外も積極的に出て行きたい」と闘志。賞金ランクでも3位に浮上し「ここから2、3勝したい。最後まで突っ走る」と、“美保の彼氏”はまだまだ男に磨きをかける。

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