大の里 1横綱2大関を撃破 “予習”生かし注目対決・琴桜に完勝 「きょう勝てたのは大きい」

 大の里
 琴桜(左)の攻めに耐え、寄り切る大の里(撮影・金田祐二)
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 「大相撲夏場所・6日目」(17日、両国国技館)

 新小結大の里が大関琴桜を寄り切り、5勝目を挙げた。前日の霧島戦に続く大関戦勝利で、1横綱2大関を撃破。役力士では唯一の1敗となった。琴桜は2敗目。かど番の大関霧島は王鵬に屈し、4連敗で5敗目を喫した。大関豊昇龍は翔猿を寄り切って2敗を守った。宇良が御嶽海との平幕全勝対決を制して6連勝。宝富士に土がついたため、単独トップに立った。勝ちっ放しの宇良を、1敗で7人が追う。

 あまりの完勝に館内がどよめいた。注目の大一番。大関との1敗対決を制しても、大の里は想定通りとばかりにわずかにうなずいただけ。風格すら漂わせながら、静かに勝ち名乗りを受けた。

 立ち合いで胸で当たってから、すんなりと右下手を引いた。琴桜にも左上手を取られたことはお構いなしに、半身のまま前へ。下がりながら投げを打とうとする大関に体を寄せてわずか4秒0、右手一本で寄り切った。

 新入幕の初場所ではあっさりと寄り切られ、春場所は前に出たところに小手投げを食って2連敗していた相手。「2回負けているので、同じ失敗をしないように心がけていった。体が動いてくれたのでよかった」と納得顔で振り返った。

 “予習”を生かした。今場所前の7日には、自ら志願して佐渡ケ嶽部屋へ出稽古。琴桜との三番稽古で6勝2敗と勝ち越し、手応えをつかんでいた。「感覚も分かっているので。本割で勝たないと意味がないと思っていた。今日勝てたのは大きい」。悪いイメージを拭い去り、1勝以上の確かな自信を手に入れた。

 新入幕から2場所連続で11勝を挙げた大器のさらなる進化。八角理事長(元横綱北勝海)は「もともと力を持っているが、慣れてきたな。相撲が落ち着いてきた」と評価。「馬力があるからね。研究されているだろうが安泰だ。なかなか止められない」と認めた。1横綱2大関を破った大の里は「前半戦は厳しい戦いになると思ったけど5勝1敗、いいと思います」。自らに及第点を与えた。今場所からちょんまげを結い始めたばかり。初土俵から所要7場所目の史上最速Vが、早くもうっすらと見え始めた。

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