鈴木健吾、大偉業も報奨金1億円なく…瀬古リーダーも悲嘆「なんとかならないか」

優勝し、笑顔でポーズを決める鈴木健吾=皇子山陸上競技場(撮影・高部洋祐)
「2時間4分56秒」の日本新記録で優勝した鈴木健吾(撮影・高部洋祐)
トップで競技場に戻り、トラックを力走する鈴木健吾=皇子山陸上競技場(撮影・高部洋祐)
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 「びわ湖毎日マラソン」(28日、皇子山陸上競技場発着)

 現行のコースでは最後となる大会が行われ、鈴木健吾(25)=富士通=が、日本人初の2時間4分台となる2時間4分56秒の日本新記録で初優勝した。日本記録は大迫傑(ナイキ)が昨年3月の東京で出した2時間5分29秒。鈴木は02年の武井隆次以来、日本人19年ぶりの優勝を果たし、ウィルソン・キプサング(ケニア)が持つ2時間6分13秒の大会記録も大幅に塗り替えた。

 記者会見を行った日本陸連幹部もホクホク顔。尾県貢専務理事は「最後のびわ湖の女神が微笑んでくれた。素晴らしいコンディションでレースが進んでくれた。素晴らしい鈴木選手の日本記録。今までの日本人では信じられないレースをしてくれた。多くの選手が6、7分台とこれまでにない記録を出してくれた。若手も出てきてくれた。すべてが感動だった。コロナ禍の中、日本中に勇気を与えてくれた」と、称賛した。

 瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーも「最後のびわ湖にふさわしいレースができた。70数年びわ湖を応援してくれたファンの皆さんありがとうございました。本当に素晴らしい、日本の歴史を変えるレースになった。リーダーとしてこんなうれしいことはない。(鈴木は)力はあると思っていたが、まさか4分台出るとは夢にも思っていなかった。4分56秒が1つのターゲットになって、3分台へ夢を繋いでいく」と、興奮気味に話した。

 これまでは日本記録樹立なら、日本実業団連盟から1億円の報奨金が贈呈されていたが、近年マラソンで好記録が続出。設楽悠太、そして大迫傑の2度の日本記録更新で、資金が底をつき、東京五輪の選考がなくなったことで制度は終了。瀬古リーダーは「本当なら1億円あげたい。専務、なんとかなりませんか。俺も持ってないから…。なんか残念だ」と、悔しがった。

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