小林潤W杯初V 平昌五輪へ新鮮力 過去62戦で最高13位の伏兵が開幕戦飾った

 「ノルディックスキー・W杯ジャンプ男子第1戦」(19日、ポーランド)

 小林潤志郎(26)=雪印メグミルク=が124メートル、126・5メートルの合計260・5点でW杯初勝利を挙げた。1回目の2位から逆転した。日本ジャンプ男子のW杯優勝は2014年11月の葛西紀明(土屋ホーム)以来で3季ぶり。これまでのW杯個人戦62試合で13位が最高だった男が、平昌五輪の主役候補に躍り出た。45歳の葛西は1回目31位で、2回目に進めなかった。

 平昌五輪シーズンの本格的な幕開け。W杯個人では過去13位が最高成績だった伏兵が、追い風が強い難しい条件下で飛距離を伸ばし、頂点を奪い取った。ソチ五輪2冠のストッフ、昨季世界選手権2冠のクラフトを従えて表彰台の中央に立った26歳の小林潤は、「うれしい、の一言」と素直な感想を口にし、笑顔を弾ませた。

 夏に国際大会のグランプリで2勝を挙げた好調ぶりをそのまま持ち込んだ。17日の予選から好飛躍を連発。試技や公式練習を含めて3日間で飛んだ9回のジャンプ全てでK点(120メートル)を越える安定感を示し「本当にシーズンインがうまくできている」と充実感をにじませた。

 好調の要因は助走路の滑りにある。これまでは膝が前に入りすぎるなど不安定な面があったが、今季はしっかり姿勢が固まり「動かなくなった。飛び出すパワーをしっかり蓄えて滑れている」と胸を張る。

 盛岡中央高時代は世界ジュニア選手権を制したノルディック複合の選手で、東海大2年の時に本格的にジャンプに絞った。2011年のW杯デビューから63試合目での初優勝。小林潤の躍進は、まだ本調子ではない葛西ら実力者にとっても刺激になるだろう。

 会場となったビスワは名ジャンパー、アダム・マリシュ氏の出身地で熱狂的なジャンプファンが多い。試合後は「コバヤシ」と何度も声を掛けられ、サインや写真撮影を頼まれた。「初戦で優勝しちゃうと荷が重い」と笑いながらも「まだまだだと思ってやりたい」と前を向いた。

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