宇良9勝目 幕内昇進に前進!安美錦との新旧業師対決制した

 「大相撲初場所・12日目」(19日、両国国技館)

 東十両3枚目の宇良(24)=木瀬=が、元関脇の安美錦(38)=伊勢ケ浜=を送り出して9勝目を挙げ、来場所の幕内昇進をグイッと引き寄せた。業師と呼ばれる新旧人気力士の取り組みに、両国国技館は熱気で充満。先場所、巧みな引き落としで完敗した相手にリベンジを果たした。13日目に天風に勝てば2桁の10勝目となり、昇進の可能性はさらに大きく広がる。

 新旧業師対決に、大入り満員の館内が沸いた。宇良は立ち合い、頭で当たってきた安美錦に押し込まれ、直後に強烈なはたきを食らい、さらにすくい投げで攻められた。必死に土俵上を回り込み、強い体幹でこらえる。次の瞬間には機を見て逆にはたき、そのまま後ろに回って送り出した。

 「安美錦関に勝てたことは、すごくうれしい」。静かな口調だったが、胸の底からこみ上げる喜びを抑え切れない。なぜなら昨年九州場所の対戦が見るも無惨な敗戦だったからだ。

 立ち合いで安美錦のタイミング抜群の引き落としをまともに食らい、注文通りに土俵にバッタリ落ちた。技術の差をかみしめながらかんだ砂の味は忘れられず、今場所のリベンジにかける気持ちは人一倍だった。

 「先場所は相撲にならなかった。そのことは頭に入れていたけど、また勝負できるチャンスをもらえたので、勝ち負けより、しっかり相撲が取れるようにしたいという気持ちでいった」

 14歳年上で関取最年長38歳の安美錦は、角界随一の業師として知られ、以前から尊敬してやまない力士だった。大先輩との対決を制し「気持ちで戦った。何をされるか分からないという気持ちはあったけど、今日はしっかりと相撲を取って、勝負できるようにしたいと思っていた」と充実感を漂わせた。

 東十両3枚目で9勝目を挙げ、来場所の新入幕に手が届くところまできた。ただ、番付は生き物。もう一つ白星を積み重ねれば、昇進の可能性は一段と高まる。13日目は202キロの巨漢、天風が相手だが「新入幕が近づいた?それは何も…」。128キロの業師は、平常心で10個目の白星と幕をつかむ。

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