琴奨菊5敗目…大関陥落危機 昨年初Vの場所で「すべて負の連鎖」と嘆き節

 「大相撲初場所・7日目」(14日、両国国技館)

 かど番の大関琴奨菊は小結高安にはたき込まれ、2勝5敗となった。昨年初優勝を果たした場所で、2横綱、3大関との対戦を残しており、大関残留へ土俵際に追い込まれた。横綱白鵬は関脇玉鷲を突き落とし、大関稀勢の里は栃煌山を寄り切り、ともに7連勝。トップの2人を、平幕の貴ノ岩、蒼国来、佐田の海が1敗で追う。

 取組後の風呂場に、琴奨菊の「ハ~ア~!!」という大きなため息が響いた。大関死守へ、厳し過ぎる5敗目を痛感しながら、動かぬ体がもどかしかった。

 一年前、必殺のがぶり寄りを武器に圧倒し続けた姿はない。高安に正面から当たったものの、力がない。簡単に起こされて押し込まれると、はたかれて前にバッタリと倒れた。

 支度部屋ではしばらく無言の後「まあ、弱い」とポツリ。その後「自分を信じて前に進むしかない。リセットして、新たな気持ちでいかないとアカンね。何と言っていいか分からないけど、すべて負の連鎖でいっている気がする」と嘆いた。

 昨年の初場所は3横綱を撃破し、初優勝。場所後に新婚の祐未夫人(30)と結婚披露宴を行うなど、幸せの絶頂だった。わずか一年で、32場所在位した大関陥落の危機に立たされた。

 今場所が7度目のかど番で、7日目での2勝はこれまでで最も少ない。今後、2横綱、3大関との対戦を残しており、相手が強くなる中、あと2敗しかできない。土俵下で見守った審判部副部長の友綱審判長(元関脇魁輝)は「足が出ていない。厳しいな」とバッサリと切り捨てた。

 年明けには夫人が第一子を妊娠していることも明かし、4月下旬には父になる。家族のためにも、このまま終われない。「どういうリセットをするかは、しっかり考えないといけない。自信に満ちあふれる、いい相撲が取りたい」。流れを引き戻す白星を切望した。

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