稀勢の里 決定戦ならず「チェッ」優勝ならずも12勝準Vで横綱昇進3度目挑戦

 秋場所に綱とりをつなげた大関稀勢の里(右)
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 「大相撲名古屋場所・千秋楽」(24日、愛知県体育館)

 綱とりの稀勢の里は大関同士の対決で豪栄道を押し出して12勝目を挙げたが、初優勝は逃し、今場所後の横綱昇進はなくなった。しかし、横綱昇進の望みはつながり、秋場所(9月11日初日、両国国技館)で初優勝と3場所連続となる綱とりに挑戦する。日馬富士が白鵬との横綱対決を寄り切りで制し、13勝2敗で4場所ぶり8度目の優勝を決めた。

 優勝決定戦の可能性を残し、稀勢の里は千秋楽、結びの一番を土俵下で待った。白鵬が力なく寄り切られ、日馬富士の優勝が決定。見届けると、口を真一文字に引き上げた。

 奇跡の逆転初優勝はならなかった。それでも崖っぷちで夢はつないだ。負ければ綱とりが振り出しになる大関対決。勝ち越しのかかる豪栄道の当たりを受け止めた。左を差していなして相手を後ろ向きにして押し出した。

 連続13勝を挙げ迎えた今場所も12勝を挙げ準優勝。八角理事長(元横綱北勝海)は「最後の最後まで優勝を追いかけた。来場所いい成績ならね。優勝がほしい」と秋場所で綱とり継続を明言した。

 執念でもぎ取った再挑戦権。大関は「最後、集中してやろうと思った。いい感じで締めくくれた。いろいろ修正してやった。拾った相撲もあったしいい経験。物足りない相撲もあるけど、それも相撲」と全力を尽くした満足感を漂わせた。

 一方で、あと一歩届かなかった無念さも残った。今場所は鶴竜、琴奨菊、安美錦、豊ノ島ら難敵が次々と休場。白鵬も不調で早々と2敗が優勝ラインになった。幸運の風は稀勢の里に吹いていただけに、「チェッ」「はー」と舌打ちやため息をつきながら「勝負どころを落としているし、まあ見ての通り」と悔しさをのぞかせた。

 30歳で迎えた初めての場所は「まだまだ力がつく」と成長途上の手応えがある。3場所連続となる綱とりの重圧は半端ではない。「体的にはまだいけるけど、ちょっと休ませて。ゆっくり休んで考える」。我慢、我慢の“最強大関”。秋こそ大輪の花を咲かせてみせる。

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