五輪エンブレム決定!過半数一発当選

 20年東京五輪・パラリンピック組織委員会は25日、新しい大会公式エンブレムを発表し、公開していた最終候補4作品の中から、日本の伝統色である藍色の四角形を組み合わせたチェック柄の作品A「組市松紋(くみいちまつもん)」を選んだ。作者は東京都在住のアーティスト、野老(ところ)朝雄さん(46)。組織委は昨年7月に一度、佐野研二郎氏制作のエンブレムを発表したが、盗用疑惑が拡大して白紙撤回。異例の選び直しを経て、大会のシンボルマークが決まった。

 旧エンブレムが白紙撤回されて7カ月。ようやく大会の“顔”が決まった。エンブレム委員会の宮田亮平委員長によると、プロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長ら21人の委員による1回目の投票で、作品Aが過半数の13票を獲得する“一発当選”だった。

 輪をデザインした作品Bが1票、風神雷神がモチーフの作品Cが2票、朝顔をイメージした作品Dは5票だった。

 制作者の野老さんは「頭が真っ白になっている。長く時間をかけて作図した。わが子のような作品」と喜びを表現。藍色一色のデザインについては「潔い表現ができればと。夏の大会ということで、少し涼しげなものも良いと思った」と説明した。

 もっとも、旧エンブレムが白紙になるまでの経緯を考えれば、ここからいかに国民の理解を得られるかが課題となる。組織委は、佐野氏作成の旧エンブレムの選考が閉鎖的だったと批判された反省から、参画と透明性をテーマに、今回は応募資格を大幅に緩和。公募で1万4599作品が集まった。

 今月8日には最終候補の4作品を公開して、国民から意見を募集。国内外の延べ4万人超から集まった約10万7千件のコメントを、最終審査で参考にしたと説明している。

 一方で、各種世論調査などではBとDが人気を分け合う形だった。発表前から一部のデザイン関係者から「A案ありき」という指摘もあり、あっさりとA案に決まったことで、今後さらに議論を呼ぶ可能性もある。

 宮田委員長は「発表前に、そういう考え方をまかれたことが大変腹立たしかった。憤りを感じた」と語気を強め「われわれは公明正大に審査を行ってきた」と、“疑惑”を否定。王委員も「公明正大に選ばれたと胸を張ってお伝えできる」と強調した。

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