“仮病”朝青龍に北の湖理事長ブチ切れ

 腰の疲労骨折を理由に大相撲夏巡業(8月3日から17日間、北海道など)を休場すると表明した横綱朝青龍が、帰国中のモンゴルでサッカーに興じていたことについて、日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱北の湖)は26日、「診断書が出ているのに、サッカーをしているのはおかしい」と苦言を呈した。横綱の問題行動には怒り心頭で、今後、厳罰が下る可能性が出てきた。

 朝青龍は21度目の優勝を果たした名古屋場所後に、腰の疲労骨折で全治6週間という診断書を相撲協会に提出し、夏巡業不参加を認められていた。だが、23日にモンゴルへ帰国した後、同国政府や日本の外務省などの依頼を受けて、25日にサッカー元日本代表の中田英寿氏が子供たちを指導するイベントに参加。軽快な動きでシュートも決めた様子が、同日夕のフジテレビ「スーパーニュース」で報じられた。

 関係者によると、前日にこのニュースを知った北の湖理事長は、ものすごいけんまくで怒りを爆発させたという。この日は「事実かどうか確認していないので、何も言えない。自分からちゃんと言ってくるだろう」と冷静に話したが、「ただ診断書が出ているのに、サッカーをしているのはおかしい」と、苦言を付け加えた。

 協会内には“仮病”と疑う声が上がっており、師匠の高砂親方(元大関朝潮)は弟子に夏巡業参加か入院かの二者択一を迫った。モンゴルに帰国中の朝青龍は今週末か来週初めに再来日する予定で、同親方は「(国際電話で)腰が本当に悪いなら入院しろ、悪くないなら巡業に出ろと伝えた」と、広報部を通じて談話を発表。早ければ29日にも北の湖理事長に事情を説明する。

 大島巡業部長(元大関旭国)は「週明けに北の湖理事長と話し合うことになる。仮定の話だが“仮病”が本当なら問題だ。横綱になれば何でも許されるというのはどうか」との認識を示した。“仮病”が事実だとすれば、厳罰は免れられない。朝青龍の再来日後の言動が注目される。

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