【２０１２年３月４日付デイリースポーツ紙面より】

　「オープン戦、阪神０‐４オリックス」（３日、安芸）

　「７番・左翼」で先発出場した阪神・伊藤隼が、オープン戦３試合目で初安打を放った。先月２８日の前戦、横浜との練習試合（宜野湾）でも２安打。ドラ１ルーキーが、打撃面で確実な成長を見せている。

　痛烈なヤジが飛んだのは、二回２死無走者で迎えた初打席だ。中山の内角寄り直球に手が出ず、見逃し三振に倒れた。天を仰いで引き下がる伊藤隼の背に、スタンドから「バットぐらい振れや」と容赦ない言葉が飛んだ。

　中京大中京、慶大とアマ球界のエリート道を歩んだ伊藤隼への痛烈なヤジ。虎党の洗礼で目が覚めた、というわけではないだろうが、七回の３打席目。２死二塁の好機の場面で、高橋秀が投じた初球、１４２キロの直球を鋭く中前にはじき返した。当たりが強すぎて新井良は生還できなかったが、初球から打って出る積極的な打撃でチャンスを広げた。

　「良太さんに（ヒットが）１本出て、（初回・先頭の平野以来）なかなか出なかった１本が出たところ。初球からどんどんいってやろうかなという感じだった」と、してやったりの表情。和田監督は「積極性が出る打席では、いい結果が出ている」と及第点を与えた。

　ただ見逃し三振については「そこが彼の課題」と指揮官。伊藤隼は「技術不足です」と素直に反省。「切り替えて次の打席にいけたと思う」と前を向いた。